第43回卒業証書授与式

第43回卒業証書授与式
2021/02/19

 2月19日(金)第43回卒業証書授与式が体育館で行われました。新型コロナ感染拡大予防対策として、参加者全員のマスク着用、卒業生・保護者の席の間隔をあけるなど、3密を避けるように配慮しました。無事に高校生活最後の締めくくりを行うことができ、幸いです。















第四十三回杜若高等学校卒業証書授与式 学校長式辞



 正面玄関前駐車場の、『至誠』の碑の脇に、蝋梅がきれいに咲き続けています。本日、卒業生とその保護者の皆様、学園・学校関係者が一堂に会し、「第四十三回 名鉄学園 杜若高等学校 卒業証書授与式」が挙行出来ますことをたいへん嬉しく思います。

 まず、これまで影・日向となり、お子様の成長を温かく見守って来られた保護者の皆様、ご子息・ご令嬢の高等学校ご卒業、心からお祝い申し上げます。

 そして、只今卒業証書を手にされた三百二十五名の皆さん、杜若高等学校卒業、おめでとうございます。皆さんは今日のコロナ禍においても、明るく、のびのびと学校生活を過ごしました。三年生だけのスポーツクラスマッチ、ミニ文化祭、そして、後輩たちの企画による一昨日の予餞会も楽しい一時だったと思います。自ら取り組んだ部活動も、形や場面こそ違え、高校時代の区切りをつけました。限られた三年間で、量ではなく自ら考えて学ぶ力、前向きに継続する習慣を身につけました。皆さんの歩んだ日々は、そのまま生涯の良き思い出となることでしょう。

 昨年十二月、明るい話題がありました。小惑星探査機「はやぶさⅡ」が六年に及ぶ太陽系宇宙の飛行で、小惑星「りゅうぐう」の砂をカプセルに収め、地球に持ち帰りました。トラブル続きだった初代「はやぶさ」から学んだ教訓がありとあらゆるところに活かされ、今回も「だめかも」と思われた場面で次の着陸地点を見つけるなど、危機的局面を次の成果に繋げる前進が見られました。「はやぶさⅡ」は、カプセルを地球に届けた後は、残りのイオン燃料を使って、そのまま十一年かけて別の小惑星到着に向け飛行を続けています。太陽系の成立や生命の起源への謎解きに期待が膨らむわけですが、科学技術の粋を集め、挑戦を諦めない人類の英知が感じられます。

 また、これは本校での身近な話ですが、先月、英文の卒業証明書と成績証明書を受け取りに来たかつての卒業生が、校長室を訪ねてくれました。一見、大リーグで活躍する大谷翔平選手を思わせるような上背と体格、声に張りのある実に気持ちのいい紅顔の美少年でした。聞けば高校の時は野球部に所属し、卒業して十年ほど経ちましたが、今になって韓国語や英語を勉強したい気持ちが強くなり、手掛けている事業もあるものの、これから留学をするとのことでした。生まれた時に、父親が、将来海外で活躍できる人物になるよう「ジョウジ」という名前を付けてくれたと、感謝の気持ちも語っていました。コロナ感染が拡大し、様々な国で入国時の制限や検疫強化を行っている折ですが、向学心と希望を持ち、挑戦を続ける本校の卒業生の姿に感銘を受けました。

 卒業生の皆さん、未知に挑む人類の弛まない探究や、身近な先輩の夢を追う姿があるように、希望に向かって挑戦してください。挑戦することは明るい未来、充実した人生に繋がります。

 そして今一つ、本校で育んだ建学の精神『至誠』を忘れないでください。どんな時も誠意と思いやりの心を持ち続け、周囲の幸せを考えてください。このことは、ひいては自分自身をも幸せに導くものです。本日、高等学校卒業が迎えられたのは、多くの方々のお蔭です。特に、皆さんの保護者は幼い時から皆さんのことを大切に思い、どんなにたいへんな時も皆さんのために惜しみない苦労をされてきました。今度は皆さんが、感謝の気持ちを忘れず、お世話になった方々を助ける力になってほしいと思います。

 結びにあたり、保護者の皆様、これまで本校にお寄せいただきました温かいご支援・ご協力に対し、教職員を代表しお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 第四十三回生の皆さんが各方面でご活躍され、幸せな人生を送られますことを心からお祈り申し上げ、私の式辞と致します。

令和三年二月十九日
学校法人名鉄学園
杜若高等学校長 鈴木 利介